2008年06月08日

いばらの王 6巻(最終巻) 岩原裕二 感想

いばらの王 (6) (ビームコミックス)
岩原 裕二
4757724780



狐につままれたような、そんな終わり方でした。
巻末おまけ頁の事ではありません。
本編自体が一線を越えてしまった感じで、復活後のマルコの規格外な無敵ぶりや、引っ張りまくった割にしょっぱいゼウスなど、悪い方向へと暴走してしまった印象が強いです。
カスミとシズクの件にしても、これまでの物語の中に色々と伏線を潜ませてはいたのでしょうが、展開が散漫になってきてからはその伏線もあまり活きていたとは言えず、やや唐突感が残るものでした。
まして最後に大爆発する意味が判らない。

終わって見れば、結局作者は何をしたかったんでしょう?と言う拍子抜けた感じばかりが残って、序盤に抱いたワクワク感は行き場をなくして今も古城を彷徨い続けている感じです。


うん・・・でもね。
でも、この作者は可愛いショタを描かせたらやはり天才だと思いましたよ。(それか)
いやいや、ティムなんですけどね。
4巻辺りからの、不釣合いに大きなフリッツヘルメットを被った姿も愛くるしかったのですが、半分ゼウス神属になったケモノ少年スタイルがまた愛らしくて愛らしくて。
実にけしからんじゃなイカ?
まあ、それだけじゃなくて「ああ、このシーンいいなあ」という所は沢山あるのですよ。
カスミが本物のカスミと対面する所とか。
部分部分には光るものがあるだけに、勿体無かったなあという思いが一層強く残る作品でした。


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2008年06月07日

いばらの王 5巻 岩原裕二 感想

いばらの王 (5) (Beam comix)
岩原 裕二
4757723032



序盤に登場する蛸のメドゥーサを見て、まさにこの作品、蛸足配線になってショート寸前だなあと思ってしまいました。
4巻の感想でも書いた事ですが、最早物語の焦点がとこにあるのかが全く見えなくなってしまっています。

5巻までおさらいの意味も込めて1巻から読み返してみたのですが、何時どの時点で道を踏み外してしまったのかという部分が見えないんですよね。
直接的な転換点となったのは間違いなくゼウスの存在が前に出てからなんですけど、では彼がいなかったとするとメドゥーサや化け物発生の謎部分が非常に座りが悪くなります。
となると、あれはあれで欠かせない・・・。

と、考えてみて行き当たったのが、そもそも最初にカスミを主人公としたのが間違いだったんじゃないかと言うことです。
カスミの存在を省くと、ホラー風味のマルコとゼウスの因縁対決という、かなりスッキリとした構図になります。
クイーンとかその辺は、アリスが発生源と言う事にしても差し支えないでしょう。
流石にゼウス神属とかはやりすぎですけど。
ともあれ、カスミとシズクが物語を必要以上に複雑化させて、構図を見えなくさせている気がします。

もっとも、それもまた作者の計画のうちなのか、それとも単に設定を持て余しているだけなのかははっきりとしません。これが非常に生殺し感が強くて、フラストレーションが溜まります。


この漫画はB級映画を目指して描いた作品とのことですが、一口にB級と言っても最初からB級路線として製作されたものと、A級を目指したものの失敗してB級になったものと2つあります。
初期の巻は前者だったのですが、ここ何巻かは変にスケールアップしようとしたのか明らかに後者になってきています。

泣いても笑っても残り1巻。果たして納得のいくラストを迎えられるのか・・・。


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2008年05月27日

いばらの王 4巻 岩原裕二 感想

いばらの王 (4) (Beam comix)
岩原 裕二
4757719876



全6巻のうち4巻目という事で、物語もいよいよ後半戦。
メドゥーサの正体や今回の災厄の原因となった人物の登場などで、物語の舵取りは大きく変わってくる事になります。


あー。

うん。

・・・脱出劇のままでよかったのに。


メドゥーサが精神体である事や、それを利用しようとしたアイヴァンの存在までは、まあ良いんですよ。
物語のスパイスとしては、こういう設定は必要ですから。
ですが、ゼウスに関しては正直微妙。ラスボスにしては小物っぽいし、事態を引き起こした動機がただの愉快犯というのも釈然としません。
そしてそれ以上に、コイツが登場したせいで物語が完全にマルコとの因縁を中心に展開する方向へとシフトししまった件。
確かにマルコはミステリアスでいて、戦闘力も高いと言うことで、物語の中では色々便利な牽引役だとは思いますが、牽引役が主役を食っちまったというのは・・・ねえ。
どこかの種死じゃないんだから。

ただ、ゼウスがメドゥーサを実体化させる際に使用した「素体」やシズクが生きていた?件など、後半戦の大きな見せ場になりそうな伏線はしっかり埋設されていたっぽいので、そっちに期待と言う事でしょうか。


それにしても、前の巻で明らかになった様に城からの脱出は絶望的っぽいし、ゼウスの言葉が真実ならば災厄は世界規模で広がっているので外からの救援と言う線も微妙。
物語の結末が全く見えません。
余程の奇跡が起こらない限り全滅エンドとか、全員メドゥーサになりましたとか、そういう類の結末しか見えないのですが・・・。



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2008年05月13日

いばらの王 3巻 岩原裕二 感想

いばらの王 (3) (Beam comix)
岩原 裕二
4757717709



古城脱出劇として始まった本作品ですが、物語の折り返し点となる3巻に来て若干の迷走が。


まずは何はともあれ呪われた古城から抜け出すという大目標があって、各登場人物の身の上やCSCCの企みなどはあくまでその目標に色を添える程度のものとして進展した来たのに、それらが一気に逆転してしまいました。
いつの間にか城は絶海の孤島になっていて、脱出は絶望的。
物語は脱出劇から、バイオハザード調の探索劇へとシフトしていきます。

と、そんな感じで路線変更の気配が感じられるものの、眼鏡ヒロインよりも可愛いと一部で好評のティムが今回も頑張っていて、その愛くるしさだけで全てが許せてしまうから怖いw
というか、眼鏡ヒロインはあらゆる面で負の塊みたいなキャラになっていて、正直あまり魅力を感じないんですよ。
避けられない運命に対して覚悟を決めたキャサリンや、目的の為にはとことん足掻いて食い下がるマルコに比べると、あまりに場違いというか。
現時点では恐怖心と疑心暗鬼と悔恨の3つしか伝わってこない、ある意味画期的すぎるヒロインではあります。

それにしてもカエルのキングスライムはイカがなものか。
怖いと言うよりもひたすらシュール。
作品の世界観には合わない気もします。
もっとも、そんなカエルを倒したティム君の不気味な放火魔モードは、ある意味この作品世界にマッチしているかも知れません。


物語は混沌として、向かう先が見えなくなってきました。
伏線も大量に埋設されましたので、どういう形で回収されるか見守りたいと思います。



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2008年05月07日

いばらの王 2巻 岩原裕二 感想

コミック いばらの王 2巻 (Beam comix)
岩原 裕二
4757715854



突然の事態に戸惑った生存者達ですが、ある程度落ち着いて周囲の状況に目が向きかけた彼らを襲ったのは、恐ろしい疑心暗鬼でした。
カプセルを開けたのは誰なのか、マルコの正体は、そして、そもそもメドゥーサとは・・・?


生存者7人組に初の犠牲者が出たり、割と人畜無害と思われた男が裏切って独走したり。
基本的にはベタかもしれませんけど、こういう展開好きです。
原因不明の奇病と思われていたメドゥーサにもなにやら大きな秘密がありそう。
果たして本当に人災なのでしょうか。


そして、警備室に残されていた大量の武器。
ボディアーマーにフリッツヘルメット、大口径拳銃にサブマシンガンにショットガン、更に手榴弾。
これらの武器はどう考えても"警備"には過ぎた代物です。
まるで城内の怪物たちと戦う事を想定していたかの様な物々しさ。
城がメドゥーサの研究施設だった事を含めて考えると、メドゥーサと怪物にはなんらかの関係があるのかも・・・?


それにしても(一応)主人公の筈のカスミの影が薄いのが気になります。
完全に巻き込まれ属性になっていますからねえ。
シズクに関する不吉な数々のイメージなど、この先に波乱の展開が待っている事を暗示している気はしますが。さて。



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2008年05月01日

いばらの王 1巻 岩原裕二 感想

いばらの王 (1) (Beam comix)
岩原 裕二
4757713800



全身が石化して死に至る原意不明、治療不能の奇病が猛威を振るう世界。
一部の患者達は将来の医学の進歩に一縷の望みを託して古城に作られたコールドスリープ施設に入るが、彼らが再び目覚めた時施設内は一面の荊と凶暴な怪物が闊歩する魔界に変容していた――。


迫りくる怪物という「強敵」と進行する病状と言う「制限時間」の中、いかにして施設を抜け出すのか。ある意味サバイバル要素に特化した作品です。
患者達を取り巻く世界の変化が急激過ぎて一瞬戸惑うものの、物語の方向性は明確で非常に判り易いです。雰囲気的にはモンスターパニック映画に近いですかね。

物語の方向性そのものは単純でも、世界が変容してしまった原因や、施設から脱出した先に待つもの、荊を操る謎の少女に、患者達に混じってコールドスリープに付いていた犯罪者の男の存在など、先の展開を見えなくさせる仕掛けは随所に施されています。特に犯罪者マルコは物語の中でも重要な位置付けのキャラクターっぽい。

ああ、そういえば昔見たSFホラー映画でも、護送中だった凶悪犯が怪物相手に大立ち回りを演じ、ヒロインと共に最後まで生き残るというのがありました。
タイトルは・・・なんだったっけ?えーと、ピッチブラックでしたっけ?


ともあれ1巻としてのつかみは完璧。
内容が内容なのでいわゆるキャラ萌え度数はあまり高く無さそうですが、レンタル屋行くと真っ先に新作B級映画の棚から物色開始する僕みたいな人間にはいろいろ堪らない作品の様です。


いばらの王・感想

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2008年01月11日

まじしゃんず・あかでみい 榊一郎 BLADE

まじしゃんず・あかでみい
BLADE 榊 一郎
4757726376



ごめんなさい。一読しただけで、あっ、つまんないと思っちゃいました(汗)。

もちろん、こういう感想ブログの管理人として、つまんないと斬り捨てる態度は一番やっちゃいけない事と承知しています。
承知していますが・・・申し訳ない、僕の乏しい語彙では他に著し様がないんです。

原作がライトノベル作家の榊一郎さんと言う事ですが、この人に対する世間の評価も正直芳しくはありません。僕自身、別館でラノベ書評もやっておりますけども、そうした風評からなかなか榊作品に手が出ない状態です。捨てプリは面白かったという意見もあるので、関心はありますが。
しかし、この漫画の場合は原作がどうこうという次元の話ではなく、漫画として面白くないんです。
グダグダな展開、動きの感じられない絵、読みにくいコマ割り・・・。

現代にひっそり存在する魔術師の学校とか、設定はすごくありきたりな感じもしますけど、漫画、特にギャグ漫画の場合設定なんてさほど重要ではありません。
それは前回、前々回のエントリーで紹介した「るくるく」を見れば明らかな事で、天使vs悪魔や、押しかけ美少女なんてテーマは既に手垢が付きすぎて、手垢だけで250o厚、1000メートルの距離からの122o砲弾の直撃すら弾ける位のレベルに至っております。
しかし、それらの要素を踏襲し、そこに若干の諧謔味を加えただけなのに、あんなに面白い漫画として仕上がっているのは、すっきりとした絵や読み易いコマ割り・・・何を描きたいか、何を見て笑って欲しいのかがすぐに伝わってくる構成にあると思うんですよ。

そういう視点でこの漫画を見ると、ロリっぽいキャラ可愛いっしょ?ケモノ耳可愛いっしょ?と言った萌え方面の匂いしか感じられず、漫画として肝心のギャグは添え物程度。
それなら別に漫画じゃなくて萌えイラストでいいじゃん・・・としか思えなくって。

残念ながら僕の読みたい漫画ではありませんでした。

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タグ:榊一郎 Blade
posted by 黒猫 at 21:24| Comment(2) | TrackBack(0) | エンターブレイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする