2008年08月24日

生徒会役員共 1巻 感想 氏家ト全

生徒会役員共 1 (1) (少年マガジンコミックス)
氏家 ト全
4063840301




少子化の影響で共学になった女子高とか一応設定らしき設定はありますけど、この漫画において設定などと言うものはあって無きが如し。
SPECIALから週間連載に移行する際に登場人物の年齢が変更された件に関しても、一部表記や台詞を差し替えるだけでほとんど(と言うかまったく)違和感は無くなっていますし、まあ、そういう漫画です。
女子高生達が呼吸をするのと同じペースで延々シモネタを吐き出し続けるのを愛でる事が全てと言っても何ら問題ないですからね。

そう言う事で、僕個人としてはこの生徒会長のシノさんに恋をしてしまいそうです。
主人公の津田と初対面で言った言葉が「しまりの悪い女と思われたくないからな!!」ですからね。もうつかみはバッチリでしょう。
エロ単語が乱発されている割に、直接的なエロシーンは無いのも良い感じ。作者は「おげれつ」と「お下品」は違うと言う事をしっかり弁えている様です。
なんというか、居酒屋でオッサン同士が猥談やっている感じとも言えなくは無いんですけどw

シモネタ分を支えているのは主に会長と書記のアリアさんの二人(横島先生はただの変態だ)なんですが、同じシモネタ使いでありながら微妙に流派が違うのが面白いです。
シノ会長の使うシモネタは割とストレートと言うか、程好いおげれつ加減なのに対して、アリアさんのシモネタは微妙に生々しいw
これがナ○キン派とタン○ン派の違いと言うヤツなんだろうか。
これ以上書くと検閲に引っかかるので割愛。


――しかし、こうしたエロワードにまみれた女子に萌えられるのはある程度オッサンになってないと難しいんじゃね?という気がします。
この歳になると、見るからにイノセントな女の子よりも、エロネタで笑えるノリの良い女の子の方が好きだったりする訳ですけど、もう少し若い、DT力に満ち溢れていた頃なら会長はともかくもアリアさんとかはビッチ認定していたかも知れませんw
もっとも、作者もその辺り考慮したのかどうかは判りませんが、スズちゃんという一切シモネタには関わって来ないロリキャラが用意されていたりしますけど。

個人的には津田の妹に会長以上のシモ力を感じていますので、いずれは津田達の高校に入学してくる事を期待したいですね。良い意味で収拾が付かなくなりそう・・・って、既に1巻後半で半ばカオス化しているかw


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2008年08月23日

まじもじるるも 2巻 感想 渡辺航

まじもじるるも 2 (2) (シリウスコミックス)
渡辺 航
4063731294




1巻は柴木とるるもの二人をメインにして物語が描かれていましたが、2巻に来てそれ以外のサブキャラクター達にも一気にスポットが当たり始めました。

特にメガネの風紀委員。そう、柴木のいらん事書いたビラをばら撒いていた彼女。
1巻の感想に

"もっとも、柴木を恋愛ヒエラルキーの最下層を落としているのは風紀委員のメガネに拠るところが大きいのですが、そのうちメガネをメインにした話も読んでみたいなあと希望してみます"

なんて書いたら、本当にメインの話やってくれちゃいました。

結論から言いますと、アレは良いメガネです。
ピンクです。
空よりやさしいのです。
どの位やさしいかというと以下参照。


rurumo02a.JPG
見えたああああ


はい、実に素晴らしいですね。
彼女は言動から推察する限り柴木を意識している節もあるので、これからの活躍に期待したいところですが、なにぶん柴木が空よりやさしい発言で韜晦して纏めてしまっただけに、大きな出番はこれで終了なのかなあと一抹の寂しさも。
ああゆう良いメガネとフラグを立ててこそ男としてのステージが上がると思うのですがイカがなものか。


他にも美人婦警や妄想魔法少女など、ちょっぴり変な人達が一挙登場して随分賑やかになりました。
渡辺先生の作風なんだと思うのですが、どのキャラクターも邪気のない愛すべき人達ばかりで、一話で使い捨てるには惜しい限りです。
もっとも、キャラが増えた反動なのか、るるもは学食の厨房で働いている時の割烹着姿しか印象に残るシーンが無いと言うのも考えもの。
あれはあれで可愛いんですけどねえ。
多分巻頭カラー書下ろしの「きせかえるるも」と、巻末オマケ4コマは本編で若干不足気味のるるも分を補填する為のものだったんでしょうねえ。
僕的にはやっぱり2番目の服がいいな。ランドセルは大アリだろwwww

あと一番最後の猫の話はしんみりして良かったですね。何だかんだ言いながら柴木は基本スペックとして優しい奴なんですよね。
流石のるるもさんも柴木の優しさにはきゅんと来た模様。
もうこの際「うかれて」しまっても良いんじゃないですか?



まじもじるるも・感想

1巻


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2008年08月18日

レッドアイズ red Eyes 2巻 感想 神堂潤

red Eyes 2 (2) (KCデラックス)
神堂 潤
4063343332




ジェノサイドことグラハルト・ミルズによる本格的な復讐の旅が始まるレッドアイズ第2巻。

あの裏切りに始まって今までの事全ては首謀者であるクレイズの描いたシナリオ通りという、実に不愉快な事実が明かされますが、ミルズがクレイズに接近する為にはそのシナリオに乗る以外の方法はない。
これが並の作品ならば、1巻で拾ったサヤがクレイズの想定外だった働きをしてクレイズの描いたシナリオを破綻させたりするのですが、現時点ではその気配は一切無し。
ただのお荷物役に徹しています。
さすがに人外領域に身を置く様な兵士達が跋扈する世界に一戦災孤児が付け入る様な隙間は無いか・・・。


2巻で個人的に一番楽しかったのは、やはりAGI社のかなり狂い気味な技術者。
自分のエゴだけで兵器としての基本すらも無視した新型SAAを開発し、しかもそれが時期主力SAAコンペで勝つと思っていたネジの緩み具合が素晴らしい。
いくら超高性能だとしても、並の兵士には使いこなせないどころか、逆に寿命を縮めるブラック・ウィドウと化す代物など最早兵器とは呼べません。まして陸戦兵器の分際で高コストで量産に不向きなど言語道断。

かつて地球圏を舞台に1年間に渡って続いた大きな戦争で、宇宙側の軍を率いたさる中将はいみじくもこう言いました。
「戦いは数だよ兄貴!」
と。
これこそが真理。
武力を伴う伴わないに関わらずこの世のあらゆる争い事において、常に勝敗を決するのは数であり、数によって形成される層の厚みです。
突出した性能の機体を少数配備するよりも、程々の性能の機体を全軍に行き渡らせた方が総合的な戦力向上を望める。
思えば国最大の兵器メーカーにこんな技術者がいた事こそが、レギウム最大の不幸だったのかも知れません。

対するドラグノフ側のGAF社が提出したゼブラは性能こそAGI社のMk-54に劣るものの、操縦者を選ばず生産コストも比較的低いと、堅実なまでに兵器の王道をゆく機体。
どう考えても次期主力機はゼブラで正解だと思う訳ですが・・・。

と、その辺の兵器としての本質云々はさておいて、この曰く付きSAAであるところのMK-54がミルズ専用機となるフラグが立ちまくっています。こんなワンオフものの機体、メンテナンスは一体どうするんだろうと言う気もしますが、やはり主人公はそれに相応しいものを乗りこなしてナンボ。素直に乗り換えに期待しておきましょう。



・・・余談ですが、戦況図をじっと見ていて気付いたんですけど、舞台となっているレギウム共和国の位置って今ホットな話題となっているグルジアじゃなイカ?



レッドアイズ・感想

1巻

3巻



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2008年08月09日

ヴィンランド・サガ 2巻 感想 幸村誠

ヴィンランド・サガ 2 (2) (アフタヌーンKC)
幸村 誠
4063144283




1巻後半部分からの続きで、トルフィンの少年時代が描かれる第2巻。

たしかこの巻収録ぶんで週間ペースは終了、以後月刊ペースに変わったんですよね?
そうした事情を考慮してかどうか、アシェラッド一味との出会い〜父トールズの死とキリのいい所でまとめられている気がします。


戦が始まる――と言う事で、戦で男を上げたい若者達の意気軒昂さは見ていてなんとはなしに微笑ましいものがあります。
手柄を立てて、意中の女性にプロポーズしたい。これはいつの時代になっても男という阿呆な生き物から取り除く事のできない一種の本能ではないでしょうか。

もっとも、それはまた英雄物語の中の戦争しか知らないからこその、無知ゆえの勢いという側面もありますが。
戦と聞いて意気込む村の若者達を見てトールズが抱いた感情は、おそらくそういうものだったと思います。
彼は戦士として数々の戦場で活躍し、村の誰よりも戦というものを知っている訳ですから。


トールズを巡るフローキの陰謀・・・もしくは私怨については2巻時点では詳細が謎なので敢えて触れません。
ともあれ、トールズ暗殺の汚れ仕事を請け負ったのがアシェラッドで、それが1巻冒頭のトルフィンとアシェラッドとの深い因縁へと繋がって行く訳ですね。
1巻でトルフィンと対決する際に露骨な挑発を繰り返していたので、アシェラッドは姑息な男かと思っていたのですが、確かにアウトローではあれど武人としての矜持もそれなりに持ち合わせているような気がします。

トルフィンにはトールズの事が思い出せないとか言ってましたけど、今回の顛末を見る限り思い出せないどころか、忘れたくても忘れられない存在なのはほぼ確実でしょう。
戦士としても人としても全ての面で上を行く人物を、仕事とは言え不本意な形で討ち取らざるをえなかった訳ですし、その事に内心忸怩たるものを感じているからこそ、トールズとの最期の約束を守ってレイフ達を解放したのだと思われます。

今思うに、「人は皆何かの奴隷だ」と言うアシェラッドの言葉は、トールズという大きな存在に縛られている彼自身の事を自嘲気味に表した言葉だったのかも知れません。



ヴィンランド・サガ 1巻感想
ヴィンランド・サガ 3巻感想



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2008年08月07日

百舌谷さん逆上する 1巻 篠房六郎 感想

百舌谷さん逆上する 1 (1) (アフタヌーンKC)
篠房 六郎
4063145123




ツンデレは精神の病気であるという。
考えてみればある意味確かにそうかもしれないんだけど、敢えて誰も触れようとはしなかった部分ではあります。
そこにに深く鋭く抉り込んで描き出したのが本作品。


精神の病気ならば拡大解釈すれば広義のヤンデレでもあるんじゃね?という気もしますが、その辺りに関しても百舌谷さんがデレ状態を発症する際に著しい暴力性を伴っている事からして多分、作者は狙っていると思われます。つうか怖いよ。

怖いと言えば、ツンデレの病名が「ヨーゼフ・ツンデレ博士型双極性パーソナリティ障害」というものなんですが、ヨーゼフ・ツンデレという名前が既に危険。
元ネタは高確率でナチス親衛隊の将校、「死の天使」の二つ名を持つヨーゼフ・メンゲレだと思われます。
そういえば百舌谷さんも可憐な死の天使ですわなあ。
ナチスネタはいろいろと拙いからやめておけよ・・・というか、もしこの漫画が海外、それもヨーロッパで出版される事があったら一体どうなるか気になります。
やっぱり博士の名前は変更されるかも。


と、設定の不気味さはありますが、本編の方は正真正銘ラブコメ漫画です。
ただし滅茶苦茶ブラックですが
笑わせ所もちゃんと心得ているし、百舌谷さんの深い悩みや樺島君の深い絶望(笑)も丁寧に描写されていて漫画としてのクオリティはとても高いのですが・・・でもブラック過ぎて困ります。
特に弱みを握られているとは言え、百舌谷さんと揚介の間に板挟みになって貧乏籤ばかり引かされている樺島君には涙ですね。
ある意味一番百舌谷さんの近くにいられるポジションではありますが、針の筵どころか常に心を大鉈で切り刻まれている様な状況が延々続くんですから、それに堪えられるってのが凄い。


ものすごくカオスで先の展開が全く読めないために物語がこの先どう転がるのか予断を許しませんが、この混沌ぶりも作者は計算ずくで描いていて、しっかりとコントロールしている節があるので、グダグダになる事は無いと思われます。多分。

これはまさにツンデレ漫画界の「再生への渾沌(グラン・ケイオス)」ww
最後までこの可憐な死の天使を見守って行きたいですね。




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2008年08月04日

レッドアイズ red Eyes 1巻 神堂潤 感想

red Eyes 1 (1) (KCデラックス)
神堂 潤
4063342735



架空世界の戦争を扱った漫画は色々ありますが、設定の練りこみ具合に於いては1、2を争う作品ではないでしょうか。巻末に年表――それも、作品の主な舞台となる統合歴182年から過去3年の、ドラグノフ連邦・レギウム共和国戦争の戦局概略年表だけで見開き2Pをまるまる占領してしまう――まで載せるこだわりぶり。

おそらく年表に記された数々の軍事作戦がどの様なものであったかが詳細に描かれる事は無いと思われますが、それでもこうまでして作中世界にリアリティを持たそうとするところに作者の本作品に賭ける意気込みが感じられます。


作中における軍事技術の水準に関しては現代〜近未来と言う程度。
一番の差異はSAAと言うパワードスーツが配備され、戦場の主役となっている事。

このパワードスーツについてはちよっとだけ言いたい事があります。
まずはなんと言っても兵科としての位置付けが曖昧なのが気になる。
巻末の解説によれば、対装甲、対人、対空なんでもござれと言う事らしいですが、人間サイズと言う事は運用できる武器も携行できる弾薬の量もバッテリーの限界による活動時間(約8時間)も限定されたものにならざるおえないために、投入のタイミングが極めて難しい兵科ではないかと思われます。

上記の様な数々の制約があるだけに、戦車の様な「面積を稼ぐ」地域制圧力は無いと思われますし、空挺として使用するには8時間の活動限界は短かすぎます。味方の機甲部隊の到達が遅れれば最悪SAAを脱ぎ捨てて脱出を図らないといけなくなる訳で・・・。
となると市街戦や偵察任務など、結構限られた用途にしか使えない気がします。
しかし、そうした用途には既に高機動性をウリにした装輪装甲車というものがある訳で。

こうしたジレンマは人型兵器を従来の兵器体系に組み込む際には常に付き纏うものなのですが、敢えて擁護するならば本作品はまだ説得力のある部類です。
冒頭の戦闘シーンでは敵のSAAは戦車の随伴歩兵として使用されていましたし、英雄ミルズ率いるレギウム軍SAAは敵機甲部隊に対する迎撃に投入されました。これらは上で挙げた欠点を理解した上での運用法と言えます。
作中ではメジャーな兵器だと言うわりに、戦車などに対SAA用の装備が一切搭載されていないのが気になりはしますが、まあそれはご愛嬌と言うところか。


・・・と、こういう事をつらつらと書くと本作品は戦争モノかと思ってしまいそうですが、実際にはミルズが自分を裏切り、売国奴の汚名を着せたかつての部下達に復讐をしてゆくという内容。
この手の裏切り者に対する復讐劇漫画と言うと、最近ではユーベルブラットなんかもありますが、もしかして流行なのかしらん。


レッドアイズ・感想

2巻



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2008年07月28日

疾風伝説特攻の拓 1巻 所十三 感想

疾風伝説特攻の拓 1 (1)
所 十三
4063510476




諸般の事情によって更新を2日ほどお休みさせていただきましたが、本日から通常ペースにて再開させていただきます。
と言ってもこの数日間は漫画読むどころじゃなかったので、ネタのストックがあんまり無いのです(泣)。



伝説のネタ満載ヤンキー漫画・・・だそうです。
噂だけは散々耳にしていたものの、読むのは今回が初めて。

まあぶっちゃけ、ついこの前まで不良&ヤンキー漫画と言うのは、社会不適格者を美化して云々かんぬんと声高に叫んでいたクチなんですが、チャンピオンのレビューを始める際に、個人的な好き嫌い関係なく全作品をちゃんと読むという誓いを立てまして。
で、いざ読んでみたら昔ほどその手の漫画に対する拒否反応が起こらなくなっていたという次第。
ナンバMG5とか普通に面白いですよ。


という訳で"ブッタク"こと"特攻の拓"感想になってない感想ですが。
うわナニコレ?なんかスゲー面白いんですけどw
ヘタレ少年拓が強くなりたくてヤンキーの真似事をし始めるという導入部に関しては、割とありがちなんですけど、喧嘩の現場を見てすっかり尻込みしてしまう描写とか巧いなあと。憧れの秀人と拓の間にある壁――本来は越えてはならない壁――の高さを良く表現していたと思います。
流石にコンクリートブロックや刃物を出してきたら、もうそれは喧嘩とは言えないと思うんだけど。

ただ、この派手な抗争のシーンは連載開始前の読みきり編での話であって、1巻後半の連載本編になってからの話においてはあまり無茶な抗争シーンはありません。
もちろんこの先どうなるのかは全く判りませんが、喧嘩で許されるのは木刀までではないかなあ。武器がどんどんエスカレートして、拳銃とか出たら・・・どうしよう。
いっそRPG-7で敵のバイクを狙い撃つとか、車の屋根に12.7mmDShK据え付けたり、ピックアップの荷台に106mm無反動砲乗せたりして、それ何処のタリバーン?状態でのガチバトルやってくれるならそれはそれでアリだと思いますよ。ええ、漫画のジャンルが違うのは百も承知ですとも。


しかしこれ、まだ1巻なので早計は禁物ですけど、所謂不良漫画――主に80年代に流行した、エスタブリッシュメント階層の価値観や文化に対する抵抗や嘲笑を含む作品とは何かが違う気がします。
むしろそうした要素は上記のナンバMG5の方が強い。
ではこの漫画は一体何かというと・・・。
うん、バトル漫画かな?
良くも悪くも読後に残るものが無いということは、きっとそういう事なんでしょう。
だからこそ、登場する不良のファッションに時代を感じつつも内容そのものに関しては結構普遍的で、時代背景を抜きに楽しめるのかも知れません。




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2008年07月24日

るくるく 9巻 あさりよしとお 感想

るくるく 9 (9) (アフタヌーンKC)
あさり よしとお
4063211894




9巻に来てなんだか作品の空気に若干の変化が感じられ始めました。

特にこれまで主役だったるくや六文達がよりも、ヨフィエルやジョージ荘司と言った天使とその僕?側の出番が圧倒的に増えたのと、るくの言動に黒さが滲み出始めたが最大の変化。
これには一体どういう作者の意図が??
もしかしてワッハマン化フラグですかい?


うん・・・そういう構図の変化はさておくとして、この世界に人種と宗教と言語と風習を超えて分かち合える共通の価値観があるとしたら、それは多分金とエロだと思うわけです。
だから、エロ本を悪書として駆逐しようと言う荘司は、自らの手で人類が分かち合える可能性の芽を潰していると言うと大袈裟か。結局彼女も最後は数の持っていたBL同人誌を見て、その虜となってしまったと言うオチではあるんですが。
というか数がBL本を集めたりコスプレしたりと、腐女子属性だったとは。
最初登場した頃はただのツンデレキャラだと思っていたのですが、侮れない。

それにしても部屋に置いてあったBL本を荘司に見られてしまった際のヨフィエルの狼狽振りがとても気になります。
下世話な噂では神や仏に仕える人たちはウホッな趣味の方が時々いると言われていますが、ヨフィエルもその手合いか。いやいや、そもそも天使には性別は無いから、性的な興奮も無い筈なのではないか・・・と、思考の迷宮に陥ってしまいそうです。
いずれにせよあの必死ぶりは只事ではないですね(笑)。


こうして見ると、ヨフィエルを数に憑依させたのは大正解だったかも知れません。
数にしろヨフィエルにしろ単体ではお邪魔キャラでしかなかったのに、二人合わさった途端にこれまで見えなかった魅力が開花して事実上メインを張れるだけのキャラになってしまった訳です。
漫画の構図にすら影響を与えたと言う意味では混ぜるな危険レベルの劇物に化けたとも言えそうですが。
個人的にはこの組み合わせは支持します。
もう最終回まで憑依したままでいいよw


あと雑誌掲載時に話題になった、はちゅねるく&ウッーウッーウマウマ扉絵もしっかり収録されています。
今となっては懐かしいネタではありますが、作者のソツの無さが感じられてこれはこれで楽しい。
やっぱりあさり氏は永遠の萌え漫画家だと思うのですが、どうか。



るくるく・感想
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2008年07月22日

ヴィンランド・サガ 1巻 幸村誠 感想

ヴィンランド・サガ 1 (1) (アフタヌーンKC)
幸村 誠
4063144232




今更ながらヴィンランド・サガです。
結構前から周囲の評判は耳にしていたので、いつか読んでみようと思いつつズルズルと来て・・・まあそう言う事です。


物語に関してはもう説明する必要も無いですね。11世紀のヴァイキングの物語。
タイトルになっているヴィン・ランドと言うのは諸説ありますが、おそらくニューファンドランド島の事ではないかと言われています。(別の説によるともっと南の北米大陸本土だとも言います)まあこの辺りに関しては1巻では深く触れられてはいないので、軽く流しておくとして。


第一話からその圧倒的な迫力にすっかり魅了されてしまいました。
緻密にして重厚。躍動感に満ちた作画は戦場のリアリズムをこの上ない形で活写していて、さすがプラネテスの作者だと唸らされます。

しかし個人的に一番強く感じたのは、やはり当時の一般的な人間達の命に対する価値観です。
現代人の感覚からすると恐ろしくドライなもので、目の前で部下や仲間が斃されても感傷的になる事さえほとんどありません。
それは命のやり取りが日常茶飯事である戦士階級の者たちだけでなく、トルフィンの姉の様な一般人にしても同様。
もっとも、現代においても某隣国や十数年前まで存在していた某社会主義連邦、そして60年前の我が国もこの時代の人間に負けない位に命が軽く扱われていた訳ですけども。


そういう背景を踏まえて読んでいると、トルフィンの亡き父トールズの感性は周囲と比べて著しい違和感を感じてしまう位に現代人・・・それも戦後の、良くも悪くも甘い日本人の感性に近い。
それは物語の世界に読者を感情移入させる上で必要な措置なのかも知れませんが、同時にそういう感性を持つ人間にとってこの時代は実に息苦しく過酷な世の中であった事も想像されてしまって、この先の展開に一抹の不安を感じさせています
。要するに鬱展開の予感と言う奴ですね。


トルフィンがヴィン・ランドの大地を踏みしめるのはいつの日か、見守って行きたい作品です。


ヴィンランド・サガ感想一覧
2巻


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2008年07月07日

蒼天航路 5巻 李学仁 王欣太 感想

蒼天航路 (5) (モーニングKC (482))
李 学仁
4063284824




黄巾の乱の終結から董卓による権力の簒奪、そして反董卓連合の結成までが描かれる第5巻。


この当時はまだ袁紹と曹操は敵対する関係ではなく、共に反董卓の大義のもとに立ち上がる事となるのですが、作中では宦官誅滅と言う大義名分を董卓に与えたのが袁紹と言う事になっていて、策を弄するわりに思慮の浅い袁紹と、袁紹が引き起こしてしまった混乱を利用して天を狙う曹操という対照的な描かれ方をしています。
たしかに袁紹の人となりは三国志原典に忠実と言うか、陳寿の評した姿そのままではありますが・・・。

なんと言うか、腹に一物秘めた人々が虚虚実実の駆け引きを繰り広げる三国志世界においては、この底の浅さが一種の愛矯になっているよう感じられるのは笑うべき事なのか。
判りやすく一言で言うならヘタレ。
全日本ヘタレキャラ愛好会会長であるところの僕にとっては、いろいろな意味で目が離せない人物の一人となっています。
ちなみに三国志演義だと確か董卓を暗殺すべく曹操が城に乗り込むも、呂布に看破されて赤兎馬をがめてトンズラをこくんでしたっけ。演義ではヘタレ役が曹操なんですよね。


演義で思い出しましたが、呂伯奢のエピソードも蒼天verと呼ぶべきものに改変されています。
史実では呂伯奢の裏切り、演義では曹操の猜疑心、いずれのケースにおいてもジェノサイドENDとなるエピソードですが、蒼天では曹操の配下に組み入れるという展開。商才と財力を活かして陰から曹操軍をサポートする役回りとなる訳です。
この辺はちょっと出来すぎかなという気もしますが、この作品はスケールの大きな演劇じみた部分があるのでこれはこれでアリなのか。

ともあれ反董卓の戦いは始まったばかり。
徐栄に煮え湯を飲まされたりしていますが、果たして。
個人的には蒼天董卓は非常にピカロな魅力のある人物と感じているので、それなりに壮絶な最期を期待したいところです。



蒼天航路 4巻感想
蒼天航路 6巻感想
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