李 学仁 王欣太

僕が曹操と言う人物に対して持つイメージの中に、逃げ足の速さという要素があります。
逃げ足が速いと言うとやや語弊がありますから、正確に言い直すと「退き際の良さ」です。
3巻では曹操の退き際の良さが光りました。
タブーとされた党錮の禁を再調査するのみならず、皇族を囮にして叔父の仇を打とうとした蹇碩の策を看破、これら数々の十常侍の悪事を帝に上奏するに至るものの、霊帝の暗愚を見て取った曹操はそれ以上の弾劾は一切行いません。
十常侍による報復人事も敢えて受ける姿は、第三者から見る敗北を認めたかにも思えますし、ある意味事実上の敗北には違いないのですが、今意地を通したところで何ら得るものは無いと判断したら、あっさりと退き下がる。
負けは負けで素直に認め、通用しなかった手段にいつまでも執着しない事こそ覇王の資質なのかも知れません。
でもって、3巻におけるもう一つの大きな出来事と言うと、いよいよ劉備が登場した事ですね。
演義に登場する実直青年とはまた一味違う、侠の親分としての劉備がまた新鮮。
大人物なのか、それともただの天然電波なのか判然としない性格付けや、演義とは違って至って普通人な劉備の母親などなど、全くのパラレルワールドですが・・・だがそれがいい。
関羽と張飛も、関羽の方が劉備のデムパにびんびん反応したりと、従来のイメージとは全く違う蒼天世界。
着実に役者が揃いつつあります。
黄巾党もちらりと出てきましたし、いよいよ本格スタートか。
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