天野 こずえ

いよいよ9巻まで来ました。このペースなら12巻が来るのに合わせられそうです。
9巻を読んで、真っ先に感じたのは、これまでとは明らかに作品の持つ空気が変わってきた事。
今までは「素敵探し」にウエイトが置かれていて、ネオ・ヴェネツィアと、そこに暮らす人々によって織り成される温かみのある物語が中心でした。
それが、この巻になってからは、「パリーナ」の話ではやがて来るであろう灯里一人立ちの日を明確に臭わせ。
「プリマ・ドンナ」ではプリマとして第一線に立つとはどう言う事かを描き。
そして「アクアマリン」では若き日のグランマが、アリアカンパニーを創設するまでの経緯が語られました。
それらは、これまでのほわほわとしたばかりの物語ではありません。
特にプリマ・ドンナの様にプリマになる事で、社内の同僚たちの間で嫉まれ、中傷を受ける・・・という話は、これまでのアリアには絶対無かった、負の感情を描いたエピソードでもあります。
個人的には、こういう負の部分を描いた事は評価したいですね。
ウンディーネの世界には沢山の人がいる以上、必ず暗部はあります。
そうした部分から目を逸らさずに向き合い、乗り越えて行くという事は、社会で生きて行く上では絶対に避けられない事。
この作品は灯里達の成長物語でもあるのですから、ウンディーネ業界(に限らないけど)の厳しさを描く事も必要なんですよね。
そうする事で、初めて物語りに血が通う気がします。
もちろん、作品の空気の変化に関しては様々な意見があると思いますが、僕の中では作品に対する評価をかなり押し上げました。
ただの癒し系コミックではありません。
AQUA(完結)感想
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