荒巻 義雄 飯島 祐輔

いよいよ大詰めって事なんで続けて行きましょう。
米軍の上陸、ロンメルのベルリン入城と、一気に戦局はナチス敗北へと流れ始めますが、既にナチスの指揮中枢はベルヒテスガーデンの総統要塞(すげえネーミングだw)に移されていました。
そのベルヒテスガーデンもいよいよ米軍に包囲されてしまいますが、ヒトラーには最後の切り札とも言える「戦略兵器B」、通称「トリスタンとイゾルデ」が・・・。
遂に出現した戦略兵器B、ドンナー対ビーバーのガチ勝負、日本最後?の新兵器である巨大ドリル、そしてようやく明かされるヒトラー誕生の秘密・・・等々見所満載の21巻。
まずは初期の巻から伏線が張りまくられていたヒトラーの秘密ですが、彼はネオナチの科学者によって再生されたクローンが転生したものでした。
クローンのほうは、身体的特徴こそオリジナルと同じで、オリジナルの記録も人為的に植えつけられていますが、あくまで中の人は別人です。
以前の巻で亜由美が「この世界にヒトラーはいない」と言っていた意味はこれだったんですね。本人が転生したのではなく、本人の擬似的記憶を持つ別人が転生していたという。
しかし、ネオナチの都合で勝手に生み出され、散々記憶を改竄された挙句に、最後はモサドの工作員に射殺されたクローンはあまりにも哀れ。こうした一連の記憶が、後世ヒトラーの行動原理に繋がっていて、彼は自分(クローン)を生み出し、そして殺した人類の文明そのものへの復讐の為に戦っていたというのが真相。
まあ・・・最早戦記という枠を逸脱していますが、これはこれでもう、突っ込むのが野暮なだけですから。
で、21巻の目玉である戦略兵器B。
これの正体は、200キロトンの核兵器を72機搭載し、衛星軌道上から地球上のあらゆる場所を攻撃できる衛星兵器でした。
核兵器を70発以上搭載し、人が乗り込むスペースまであるってどんな巨大衛星だよと言う気がしますが・・・そして何より、中に乗っているヒトラーは一体どうやって地球に帰るつもりなのかという謎がありますが、衛星を破壊できる兵器が存在しない時代だけに、これは人類最大の危機となる訳です。
直接戦略兵器Bを攻撃できなくても、おなじ軌道上に自爆衛星打ち上げてデブリで穴だらけにする事は出来そうな気もしますが・・・。
もちろんツッコミどころ満載なのは仕様ですし、むしろこの破天荒さこそが味ですからして、終始テンション高めに無茶をやってくれた展開には大いに満足しています。
火葬も突き抜ければ面白いという良いサンプルですね。
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