弐瓶 勉

【概要】
シドニア進路上の惑星から燻り出された奇居子は星白機を食った個体だった。
星白機を真似た衛人型の胞衣を纏ったその奇居子は、外形だけでなく内部の構造まで衛人をコピーしていて、更には胞衣で作った星白そっくりのパイロットまで乗せていた。
これまでとは全く異なる進化を始めた奇居子、そして唯一奇居子を倒せる武器カビザシの秘密…。
物語は最初のターニングポイントにさしかかろうとしている。
【感想】
2巻巻末の予告で物語基本設定の種明かし的なものが描かれると煽っていた割に、種明かしどころかより謎が深まった第3巻。
奇居子が人間の骨格や内臓までコピーした胞衣を作り出したのも大概悪趣味だけど、改めてシドニアの歴史を描かれると、内部に乗っている人間達も既に原種からはかけ離れつつある亜種であって、悪趣味の度合いには然程差がないように思えてくるのが厄い。
もちろん艦内の人間達の意識としては、原種とは違って来ているからこそより一層自分達こそが人間だと思い込もうとする心理もあるだろうし、訳の解らん宇宙生物が作り出したコピーなんて冒涜の極みでしか無いという思いも強いだろう、と思うけど、読者からしたらマンアフターマン世界の住人でしか無いのはまあ、作者の狙いか。
カビザシの秘密の方はというと、どうやって人類がそれを手にしたのかの経緯と、何故本数が決められているのかという点については明かされたものの、カビザシの穂先に使用されている光る粒と、それが収められていた構造物の造物主は何者か、どんな意図でそれを作ったのかといった謎が新たに浮上。二つ謎が解消されたら二つ謎が出現したわけで、プラスマイナスゼロじゃなイカ…。
あと謎というと、ヒ山さんの存在が一番謎だったりするw
クマをベースに作り出したキメラ的生物なのか、あるいはクマフェチの人が人体改造の果てにああなったのか…。
SF要素と同等かそれ以上に本作品の見所であるラブコメ的要素は、緑川が本格的に参戦してきて新局面。
今や奇居子の胞衣で作られたクローン?になってしまい、一時戦線離脱となっている星白は属性的には割と正統派クラスメイト的キャラクターだった訳ですが、緑川ときたら空気読まないし無駄に積極的だし、その割に夜薄暗い部屋で衛人のプラモデル作りに没頭するオタ的なところも持ち合わせているしで、キャラ立ちがなかなか素晴らしい。
谷風との"縁"という意味ではイザナきゅんが正妻決定ぽいけど(艦長という線は…どうだろうか)、個人的には程良く駄目っぽい緑川を応援したいですね。
田寛ヌミことおっぱいメガネさんは…たぶん絡んでこないかな。2コマしか出てこなかったけどヌミさんの妹が可愛かったので、妹の再登場には期待しておく。





