藤井 良樹 旭 凛太郎

【概要】
C☆Rとの戦いに端を発し、複数のギャングや族を巻き込んで混沌としたまま推移したストリート戦国時代も、最大勢力となっていた魔神銃が倒れたことで収束したかに見えた。
しかし生態系の破壊されたジャングルにも等しいストリートは決して安定を欲してはいない。
現時点での最大勢力となっている覇王餓瑠屍鐚(キングガルシア)内部では梵葉が独断専行的に不穏な動きを始め、これまで沈黙を守っていた東京周辺地域からもキナ臭い連中が都内に集まりつつあった…。
【感想】
一番面白いと言われる魔神銃編が終わってしまったとは言え、この巻から始まる『ストリートレジスタンス関東騒乱編』も結構見所の多い話。
魔神銃編集結までに培った、複雑な組織対立の構図やツートップ二人の際どい立ち回りは序盤から積極的に描かれるし、魔神銃編には無かった女性キャラであるところの九十九里姉妹の存在も血生臭いストーリーに華(ただし血の華)を添えています。
残念ながら風呂敷を広げきったところで無理矢理一気に畳もうとしたせいで、終盤はゴタゴタした展開になってしまいましたけど、しかし中盤までの展開はなかなかのもの。
もう少し余裕を持ってキャラクターを掘り下げることが出来たらあるいは魔神銃編と同等の面白さを醸し出していたかも知れません。
そんな話はともかく、カリルはアメリカへと旅立ち、亜美ちゃんは現役引退してカレー屋開店…メインキャラの二人がいきなり戦力外になっててびびる。
もっとも、亜美ちゃんは今後も仮面ライダーのおやっさん的なポジションで登場はするんですけどね。でももうバトルには顔出さない。
よって時々囁かれていた亜美ちゃん最強説の真偽は永遠に闇の中です。
もっとも、戦わないからこその最強であるという考え方もできるので、やっぱり亜美ちゃんは凄いって結論でも問題はないと思う。
古参名物キャラが退いたところで、そのニッチを埋めるべく進出してくるのは新キャラクターの数々。革命児なんて赤面しそうな肩書きを持つ梵葉に案外地味な蛇窪の大将、横須賀からやって来たスキンヘッド集団怒撫鼠、おっぱい担当の九十九里妹…。今回は初っ端から惜しげもなく大量投入。まさにサブタイトルどおり関東騒乱編です。
さて、6巻で個人的に面白かった点。
鮎湖とその友達のサヤカ達が、餓瑠屍鐚の三下であるところのジミーちゃんやその他有象無象に拉致されるシーンがあるのですが、その際にサヤカがボソリと漏らした「サヤカもう不良オタクやめる」という台詞。
不良オタクてなんぞそれという感じではあるのですが、それ以前にこの作品のスタンスを結構端的に表している台詞だなあと思ったり。
この作品、大雑把にカテゴライズすれば不良漫画なんですけど、従来の不良漫画に比べるとヤンキーやチーマーの雑魚連中を知能指数低めで凶暴に描いてたりするんですよね。
不良に対する憧憬みたいな要素はあんまりなくて、実体は不良を虚仮にしたバトル漫画とでも言うべきもの。
なので、不良カッコイイみたいな幻想を持っているサヤカの姿もまた、虚仮にされる対象です。不良オタクなんて言う訳の解らんギャグみたいな属性がその証明。
その辺のすこし斜め上なスタンスが1巻以降ずっとブレてないのには素直に賞賛したいですね。




