篠房 六郎

ツンデレは精神の病気であるという。
考えてみればある意味確かにそうかもしれないんだけど、敢えて誰も触れようとはしなかった部分ではあります。
そこにに深く鋭く抉り込んで描き出したのが本作品。
精神の病気ならば拡大解釈すれば広義のヤンデレでもあるんじゃね?という気もしますが、その辺りに関しても百舌谷さんがデレ状態を発症する際に著しい暴力性を伴っている事からして多分、作者は狙っていると思われます。つうか怖いよ。
怖いと言えば、ツンデレの病名が「ヨーゼフ・ツンデレ博士型双極性パーソナリティ障害」というものなんですが、ヨーゼフ・ツンデレという名前が既に危険。
元ネタは高確率でナチス親衛隊の将校、「死の天使」の二つ名を持つヨーゼフ・メンゲレだと思われます。
そういえば百舌谷さんも可憐な死の天使ですわなあ。
ナチスネタはいろいろと拙いからやめておけよ・・・というか、もしこの漫画が海外、それもヨーロッパで出版される事があったら一体どうなるか気になります。
やっぱり博士の名前は変更されるかも。
と、設定の不気味さはありますが、本編の方は正真正銘ラブコメ漫画です。
ただし滅茶苦茶ブラックですが。
笑わせ所もちゃんと心得ているし、百舌谷さんの深い悩みや樺島君の深い絶望(笑)も丁寧に描写されていて漫画としてのクオリティはとても高いのですが・・・でもブラック過ぎて困ります。
特に弱みを握られているとは言え、百舌谷さんと揚介の間に板挟みになって貧乏籤ばかり引かされている樺島君には涙ですね。
ある意味一番百舌谷さんの近くにいられるポジションではありますが、針の筵どころか常に心を大鉈で切り刻まれている様な状況が延々続くんですから、それに堪えられるってのが凄い。
ものすごくカオスで先の展開が全く読めないために物語がこの先どう転がるのか予断を許しませんが、この混沌ぶりも作者は計算ずくで描いていて、しっかりとコントロールしている節があるので、グダグダになる事は無いと思われます。多分。
これはまさにツンデレ漫画界の「再生への渾沌(グラン・ケイオス)」ww
最後までこの可憐な死の天使を見守って行きたいですね。
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