水上 悟志

トカゲの騎士と破壊の姫君は惑星を危機から救う事が出来るのか――。
水上漫画の常として全体に飄々とした雰囲気が漂っているためにあまり緊迫感は感じませんが、悪の?魔術師による地球破砕を阻止するという実はスケールの大きな物語。
でも舞台はいち地方都市であり、地球を守るべく選ばれた者たちも表面上は平凡な大学生とか女子高生とか・・・まあそんな感じ。
基本設定や"ビスケットハンマー"の巨大さに比べて、地球を救うはずの主人公達が小さな世界で悩んだり笑ったり暴れたりしている様がなんとも面白いと言えば面白いです。
青年誌掲載作品と言う事ですが、どちらかと言うと少年誌向けっぽいでしょうか。バトル系漫画だという以上に、主人公夕日の他人との関わりを避け孤独を好む屈折した性格や、それが少しずつ社会性を獲得してゆく過程などは本来思春期の少年少女にこそ読んでもらいたい気がします。
もちろん夕日がそういう性格になったのにはちゃんと理由がある訳ですけど。
一応は魔術師に立ち向かうという物語としての大前提はありますが、ではその魔術師とやらがいかなる人物なのか、何を目的に地球を滅亡させようとしているのかと言った部分には現時点では一切触れられていません。
ただ泥人形という不気味な敵が定期的に襲ってくるだけで、正直なんだか良く判らない。
その一方で主人公夕日の内面の成長に関してはかなりの頁数を割いて描かれており、作品自体の空気の違いはあれど構成的にはどことなくエヴァンゲリオンを思い出させるものがあります。
やっぱり成長モノ要素が強いんでしょうかね。
1巻はなんだか良く判らないまま読了してしまった感じですが、作者が何を描こうとしてるのかはおぼろげながらも伝わってくるものがあります。
ただそれにはあまりに色々な要素が含まれている為、ズバリ肝はこれだと抽出する事が僕には出来ません。
また、ズバリ抽出してしまった途端に魅力が萎んでしまう気もしています。
あまり深読みせずにあるがままを素直に楽しんだ方が良いかもしれません。
個人的には世界観、キャラクター共に好きな作品なので、続巻も読みたいと思います。
惑星のさみだれ・感想
2巻
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