いのうえ 空

どこか微妙に煮えきれないものを感じてしまいます。
民間警察という存在に関しては、例のなんとか劇場で名を馳せた宰相当時にブームだった、何でもかんでも民営化論を思い出させるものがあります。
今となっては狂乱に踊った恥ずかしい記憶と共に思い出される一輪の時代の仇花でしかないのですが、まあそんな時代もあったなあ・・・と懐かしい気分にはさせてくれますね。
なめ猫やルービックキューブみたいなもんです。
それはそれとして、タイトルにもなっているゼロインとは、主人公みくるが使用する相手に密着して零距離から連続して打撃を繰り出し、銃火器を持つ相手を無力化する特殊な拳法?だそうです。
机上の理論としては確かに有効な気がするのですが、実際のところはどうなんでしょう。
何と言ってもまずは、いかにして間合いを詰めるかという最大級の課題があるわけですが。
実際作中でも白石のアシストがないと間合いを詰めるどころか、死んでいたかもしれないシーンがあり、作者自身設定に無理がある事は自覚しているんだなと変な方向で納得したのはここだけの話。
一応はガンアクションと言う事で、硝煙臭が立ち込めるシーンの描写に関しては伊藤明弘御大を多分に意識した(主にマズルフラッシュや弾着時の描写)ダイナミックな構図になっていて、この手のジャンルの中ではかなり良い方だと思うのですが、肝心の主人公みくるが過去のトラウマに縛られてなかなか撃てないと言う設定が爽快感を欠いています。
そのトラウマ部分に関しても、なんだか作りすぎというか、まず設定ありきであまり重く感じられず、作品にとって本当に必要な要素なのかな・・・という疑問が残ります。
これなら某ジオブリーダーズの梅崎みたいに、ばんばん撃ちまくるけど何故か人は死なない・・・いちいち細かい事突っ込んだらラティの20ミリぶっ込むよ!というノリの方がずっと爽快感があって楽しいと思います。
実際方向性はワイルダネスやブラックラグーン系ではなく、明らかに(初期〜中期の)ジオブリーダーズ系ですしね。
この辺りのミスマッチ感がどうにも中途半端で煮え切らないムードに繋がっています。
設定で損しているなあ。
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