新谷 かおる

この漫画を読むのは5年ぶり位でしょうか。
僕が思いきり子供の頃に連載していた作品ですが、当時小学生だった僕は新谷かおる氏の絵はどうにも受け付けなくて、完全スルーしていたという笑い話。
なので、実際に読んだのは大人になってからです。
敵を撃破すると賞金が貰え、任務を拒否すると罰金を徴収される。
お金がたまると新型機を買う事も出来るし、一定の違約金を支払うと契約解消して帰国すら可能。
ご存知エリア88における基本ルールですが、この実にゲーム的なルールをスペースインベーダー当時に考え出した事には未だに驚きを感じます。
特に新型機を買う事が出来るというルールは極めてRPG的で、作者どんだけ先見の明があるんだと。
実際には多種多様な機体が混在すると、部品の供給や弾薬の融通などで逆に不利なのですが、そこは漫画、あんまりツッコミいれたらいけません。
こうした当時としては斬新なルールも大きな魅力の一つですが、それ以上にこの作品を不朽の名作たらしめているのは、やはり戦場における生死をどこまでも冷徹な視線で描いている点にあると思います。
感傷的な最期を与えられた人物はまだ幸せな方で、大半は一緒に出撃した筈なのに、帰還時にはいなくなっているというパターン。
何時何処でどんな形で落とされたのかも判らず、ただ帰還しないという事実だけがある。
唯一の存在した証とも言える駐機場に出来た空きスペースも、やがて新入りの機体がそこに入り、そのうち名前も忘れ去られて書類上の戦死者数の一つでしかなくなる。
そんな世界が描かれているのです。
もちろん当時としては例の無いものでしたし、現在でも故意に命を軽く描く事で「クールな俺様カッコイイ」と主張したい中二病漫画はいくつかありはするものの、その手の自己主張や思想の喧伝を一切排して描いている作品はなかなかお目にかかれないと思います。
ちなみに、航空機等の兵器の描写は甘いところが多いですが、これはネットで検索すれば(仮想)敵国の兵器の写真まで簡単に見れる現代と違って、資料自体が少なかった時代なのを考慮すれば致し方無い事だと思います。
機体に変なパースが付いているのに関しては・・・ひとえに「慣れ」だとしか言えませんが・・・(笑)。
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