伊藤 明弘

5巻はエノラ達がメイン。
またしても本編の4割近くが銃撃戦という、いつもの、そして期待通りの伊藤節が炸裂。
その一方で、クローズアップされるのはエノラ達の「本音と建前」。
芹間の身柄を確保するという目的はありますが、3人ともそれを第一義としていはいない。
エノラ自身、一番の目的は堀田だし、ディーはゴールドスミスの施設に連行されたマリアが、そしてローゼンマンにいたっては言うに及ばず。
DEA本局サイドでも、グレアムが本音と建前の板挟みに。
実に人間臭い。
ところで、今回主演男優賞並みの活躍をしてくれたのが、意外や意外のローゼンマン。
第一巻当時から徹底した小悪党ぶりを発揮してきた彼ですが、今回はいつも以上に底の浅い悪知恵と見え透いた嘘が冴えています。
この男、本当に憎めないです。
何せ彼は世に溢れる数多の悪人の様に、自分は絶対に安全な場所にいて裏から糸を引くのではなく、自らが体を張って行動する。本人にとって本位か不本意かはともかく、命を張ってやっている事だけは間違いありません。
立ち位置としても、物語をどうにでも出来る可能性と、いつ死んでもおかしくない可能性と、一番最後まで生き残る可能性が同率で揃っているという実にスリリングなポジション。
道化に見えて、実は重要キャラなのかも知れません。
頑張れローゼンマン。
間違いなく5巻の主役は彼でした。(100%主観)
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